不動産投資の利回りについて

 

2014年1月にスタートしたNISA(小額投資非課税制度)の専用口座開設数は政府が2020年の目標とする1500万口座の3分の1にまで広がっているようで、そのせいか投資という単語が身近に感じれるようになりましたね。

いろいろな投資がある中で今回は不動産投資について書いてみました。不動産投資はデフレ脱却が進んだおかげで都心を中心に地価が上昇に転じ、インフレ対応資産として注目されております。その不動産投資で、投資指標である利回りについて見ていきましょう。

 

不動産歳利回りの種類

 

まずは、表をにある表面利回りと純利回りの計算式で「投資額」が分母となっていますが、計算式で使われる「投資額」には2種類あります。

1つは、投資額を単に「物件価格」とする場合で、他には物件購入時の手数料や登記費用、税金などを物件価格に加えた「投資総額」とする場合です。

厳密には「投資総額」を投資額として計算するのが正しいのですが、実務では表面利回り、純利回りいずれも「物件価格」を分母として計算される場合が多いようです。

 

■表面利回り                                       表面利回りは、諸経費を控除せず、年間総賃料収入を分子にして算出するため、最も高く出る利回りであり、不動産広告では一般にこの利回りが記載されております。

 

■純利回り                                        一方、諸経費を控除した後の年間純収益を分子とする純利回りの方が、表面利回りよりも収益性の実態を良く表し、厳密なものである事は間違いないでしょう。                しかしながら、物件の管理費用一つとっても、管理のレベル等によって費用が大きく異なる事から、実務上、物件選定の初期段階で一律に比較する場合は表面利回りでの比較とならざるを得ないのが現状であります。なお、総賃料収入は満室時の収入とし、賃料以外の駐車場収入等も含めるのが通常です。                                      純利回りの計算式で分子にある年間純収益は、通常NOI(Net Operating Income)を採用しています。NOIは、年間総賃料収入から諸経費を控除した実質的な収益ですが、諸経費には、固定資産税、損害保険料、管理費用、修繕費、入居者募集費用などが含まれます。間違いやすいのは、減価償却費と支払利息は諸経費に含まれないという事です。減価償却を諸経費に含めない事で、NOIは実際のキャッシュフローに近い収益となるります。また、支払利息は借入水準や債務者の属性で適用金利や利息額が変わるため、諸経費に含めないのです。表面利回りと純利回りには単年度の利回りになります。しかし投資のパフォーマンスは投資期間全体でどれだけ収益を上げたかで評価されるべきで、IRR(内部収益率)が有効となってきます。

■IRR(内部収益率)                                   IRRは、表面利回りや純利回りが考慮していない貨幣の時間価値と将来の正味売却価格を考慮した指標であり、投資判断を行うに適した指標といえます。具体的には、投資期間の最終年度末に物件を売却したと考え、その正味売却価格(売却価格 − 諸費用)を投資開始時まで割り戻したときに、その合計金額と総投資金額が等しくなる割引率です。

 

ここで各指標の実務的な利用方法について見ていきましょう。

 

■表面利回り                                       表面利回りは、物件検索の初期段階、例えば、仲介業者から物件を紹介される場合や、ネット検索する時の足切りラインに使う事が多い傾向にあります。

 

■純利回り                                        純利回りは、物件数が絞れて来た段階で諸費用にも目を向けて比較する場合に有効です。物件のタイプ、築年数、その他既にリフォームが行われたか等で諸費用が変わってくるため、同じ表面利回りの物件でも純利回りが異なるケースが多いです。

 

■IRR                                          IRRは、出口戦略を勘案し将来の売却価格まで想定した指標であるので、絞り込まれた少数の物件について、投資可否を判断する段階で活用すると良いでしょう。物件間の比較では、単にIRRの値を比較し、高い方を選択すると良いと思われます。また、IRRと比較する他の利回り項目もたくさんありますので参考書などを有効活用して適用してみて下さい。

 

不動産投資は将来の売却価格の想定など見極めが難しいポイントがたくさんあります。投資の判断基準として各種の投資利回りを用いて限界やリスクを十分に認識し行うと良いでしょう。