現実とミライの準備

現在、共働き世帯数が専業主婦の世帯数を上回り、その差は年々広がっています。しかし行政は依然としてサラリーマンの夫、専業主婦の妻、子2人の家族を「標準世帯」としています。この設定を標準と呼ぶことが難しい現在、行政が発表する試算を「自分に当てはまらない」と感じる人は少なくないでしょう。生命保険文化センターが行った調査によると、自分の老後の生活に不安を感じる人は、全体の86%。実に9割近くにのぼります。老後の何が不安かを具体的に尋ねる質問には、8割の人が「公的年金だけでは不十分」と回答しており経済的な自助努力の必要性を感じているようです。

 

図1. 生年別の1人当たり受益と負担

生年別の1人当たり受益と負担世代間における不公平感からも、若い世代のほうが公的年金制度に不信感を抱いているかもしれません。図1.にあるように、生年別に受益と負担を比較すると、1950年生まれでは生涯収支が502万円プラスになりますが、1985年生まれではマイナス7123万円と、負担が受益を上回る試算になっています。

前述の20代を対象とした調査をさらに詳しく見ていくと、若者の公的年金に対する不安は、属する企業の規模にあまり左右されないことがわかりました。公的年金制度は度重なる改正で複雑になり、今後も改正が予想されるため、受給額を予想しにくいという問題があります。現役時代の収入、退職後の年金とも予測がしづらく、若者の生活設計が難しくなっているのです。これらのことから、年功賃金や終身雇用を前提としたライフプランを立てられない、大企業に就職できたから生涯安泰とは思えない、若者の姿が浮かび上がってきます。

 

図2. 夫が雇用者世帯である妻の就業状態別世帯数

図2を見ると、すでに共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回っています。女性の社会進出は収入が増える一方で、育児や介護等これまで家族で担ってきたことをサービスとして利用することに繋がり、新たな生活費が生じる側面もあります。女性の社会進出を支援するため、行政でも様々な制度を新設したり、既存の制度を見直していますが、こうした制度は「申請主義」(自ら申請しないともらえない仕組み)で、存在を知らなければ利用出来ません。例えば、育児休暇中の育児休業給付金や介護休暇中の介護休業給付金、ひとり親家庭に対しての児童扶養手当などは、利用出来てない家庭も多いと思います。平成26年度も様々な税制改正がありましたが、これからの時代、自分が対象となる税制優遇策や助成金をフル活用出来るように広くアンテナを立て将来設計を早めに行って行くことが大事でだと思います。